けいあい訪問看護ステーション｜横須賀市で在宅療養の方を対象とした訪問看護

褥瘡ケア：在宅療養での予防と管理方法

こんにちは。横須賀市の訪問看護ステーションで　けいあい訪問看護ステーションです。
今回は褥瘡について少しご案内したいともいます。

褥瘡（じょくそう）は、長期間同じ姿勢で過ごすことによって皮膚や組織が圧迫され、血行不良を引き起こし、皮膚が傷ついてしまうことです。褥瘡は特に寝たきりの方や、車椅子を利用している方に発生しやすいため、在宅療養では特に注意が必要です。

褥瘡の原因とリスク

褥瘡が発生する主な原因は、以下の3つです。

1. １．圧迫

   • 長時間同じ姿勢で過ごすと、皮膚が圧迫されて血流が悪くなり、酸素や栄養が行き渡らなくなります。その結果、皮膚や組織がダメージを受けて褥瘡が発生します。
      

2. ２．摩擦

   • ベッドの上で身体を動かす際に、皮膚がシーツや衣服と擦れることで、皮膚が傷つきやすくなります。特に高齢者は皮膚が薄くなりやすく、摩擦によるダメージが大きくなります。
      

3. ３．湿気

   • 皮膚が汗や尿で湿っていると、皮膚の抵抗力が弱まり、褥瘡ができやすくなります。湿気を防ぐための適切なケアが重要です。

これらの原因に加えて、栄養状態の悪化や感染症のリスクも褥瘡の発生に影響を与えます。褥瘡は一度発生すると治療が難しくなることが多いため、予防が最も効果的です。

褥瘡の予防方法

褥瘡の予防には、日常的なケアが欠かせません。以下の方法で褥瘡の発生を防ぎましょう。

1. 体位変換

   • 定期的に体位を変えることで、同じ部位に圧力がかかり続けるのを防ぎます。2時間ごとに体位変換を行うのが一般的ですが、患者さんの状態に合わせた頻度で行うことが重要です。
      

2. クッションやエアマットの使用

   • 体圧分散用のクッションやエアマットを使用することで、圧力が集中するのを防ぎます。特に、骨が出ている部位（尾骨、踵、肘など）には適切なサポートが必要です。
      

3. 皮膚の清潔保持

   • 汗や尿で皮膚が湿らないように、清潔を保つことが大切です。入浴や清拭を行い、皮膚を乾燥させ、保湿クリームで保護します。
      

4. 栄養管理

   • 褥瘡の予防には、十分な栄養を摂取することが重要です。特にタンパク質やビタミン、ミネラルをしっかりと摂り、皮膚の健康を保ちます。栄養士や訪問看護師と相談しながら、バランスの良い食事を心がけましょう。
      

5. 摩擦の軽減

   • ベッドの上で身体を動かす際には、皮膚にかかる摩擦を最小限に抑えるため、滑りやすい素材のシーツや体位変換用具を使用します。
     
      

褥瘡のケア方法

もし褥瘡が発生してしまった場合、早期に適切なケアを行うことが重要です。褥瘡のケアは、以下のように進められます。

1. 褥瘡の評価

   • 褥瘡の状態を評価し、深さや広がり、感染の有無を確認します。これに基づいて、適切な治療方針を立てます。
      

2. 創部の洗浄と保護

   • 褥瘡部位を清潔に保つため、優しく洗浄し、傷を保護するためのドレッシング材（創傷被覆材）を使用します。感染のリスクがある場合は、抗菌剤を使用することもあります。
      

3. 圧迫の除去

   • 褥瘡部位にかかる圧力を取り除くため、体位変換を頻繁に行い、体圧分散用具を使用します。これにより、褥瘡の悪化を防ぎます。
      

4. 医師や看護師との連携

   • 褥瘡の状態が改善しない場合や、感染の疑いがある場合は、医師や看護師と連携して、治療方針を見直します。必要に応じて、専門的な治療を受けることも考慮します。
      

まとめ

褥瘡は、寝たきりの方や車椅子利用者にとって深刻な問題ですが、適切な予防とケアを行うことで、発生を防ぐことが可能です。在宅療養を続ける方やそのご家族は、日常的に体位変換や皮膚の清潔保持、栄養管理などを心がけ、褥瘡のリスクを減らしましょう。また、褥瘡が発生した場合は、早めに訪問看護師や医師に相談し、適切なケアを受けることが重要です。

褥瘡ケアについて不安がある場合や、予防方法について詳しく知りたい方は、どうぞお気軽にお問い合わせください。私たちは、皆様の在宅療養を全力でサポートいたします。